特に成長著しい時期の子供たちは今年買った服が来年には着られないし、普段着は汚れるのが当たり前。緩やかに回復しているとはいえ、いまだ一般家庭への恩恵が少ない株高不況の構図が続いている現在の日本の景気状況では、低価格路線のショップに顧客を奪われているのが現状だ。
そうした苦境を脱するべく、カタセの本社内にある会議室で企画会議が行われていた。
現在、若い女性から絶大な人気を誇るレディースアパレルブランド『ソルシエール』に、親子リンクコーデの共同商品開発企画を打診している。
「購買層の違いと、向こうのブランド価値を下げないコンセプトやデザイン。さらにうちとコラボする意義か……。なかなか難しい課題だな」
先日、ソルシエールに初回のプレゼンを行った。親子リンクコーデというコラボ企画の内容には興味を示してくれたし、慎重ではあるものの前向きに検討しているようだ。
けれど、あちらの担当者からは『ソルシエールのブランド価値を損なうわけにはいきませんので』という発言が何度もあった。世界観を重視するソルシエールらしい要望だ。
サンプルとして貰ったワンピースやブラウス、スカートなどを見ながら、愛梨と同期の奈良谷美嘉が口火を切った。



