脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


「他に気になることは?」
「そうですね、少なくとも数年は夫婦として過ごすのですから、過剰に気を遣い合うのは嫌だなって思います。自宅では取引相手ではなく、あくまで対等な関係がいいなって」

深く踏み込むことはしないつもりだが、家の中でもずっと気を張っている生活は避けたい。

「もちろんそのつもりだ。というか、今さらじゃないか? 散々俺をクズ男扱いしてるくせに」

げんなりした表情の理人に言われ、それもそうかと思い直す。

「取り繕うのは苦手なんです。もちろん、理人さんも思う所があれば言ってくださいね」
「君の中の俺の評価を改めてもらいたい、というのが今のところ一番だな」

仕事に対する真摯な姿勢を知り、多少苦手意識はなくなったものの、華やかな女性関係の評価はそうそう変わらない気がする。

愛梨は「……善処します」とお茶を濁すと、理人に向き直る。