脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


理人は早めに入籍したいと言っていたけれど、名義が変わるとなると諸々の手続きが必要となる。今はコラボ企画に集中したいし、できれば来年の夏以降がありがたい。

そう考えていたのだが、意気投合した父親たちに「すぐにでも一緒に住んだらどうか」と提案された。

「ふたりともなにかと忙しくて、全然デートする時間もないだろう。一緒に住んでいればふたりで過ごす時間も増えるし、今は結婚前に同棲した方が互いの価値観や生活リズムを知れていいと言われているらしいよ。理人は働きすぎだし、これを機会に仕事とプライベートのバランスを考えたらどうだい?」
「愛梨も、これまでは朝陽の世話を一手に引き受けてくれていただろう。父さんもなるべく早く帰れるようにするから、もっと自分の時間を大切にしなさい」
「でも……」

まさかこんなに早く話が進むと思わず戸惑っていると、理人が助け舟を出してくれる。

「とりあえず引っ越して、週に何度か実家で過ごす日を設けるのはどうかな。朝陽くんのこともあるし、うちでの生活にも少しずつ慣れていく方が愛梨の負担にもならないんじゃないか?」

きっと結婚の条件を思い出したのだろう、彼は愛梨がなぜ〝夕食は別、週の半分は実家に帰りたい〟と願い出たのか理解しているようだ。