(なによ。私だって、いちいちこんなこと言いたくないんだから)
トラブルを避けるためには、彼から新山にきちんと言い聞かせておいてくれないと困るのだ。
「以前も言いましたが、彼女には私たちの結婚に恋愛感情はないと説明して――」
「彼女とはなにもない」
「……え?」
「新山さんはうちが契約しているデザイナーであって、それ以上の関係はない」
愛梨は目を瞬かせる。
「でも親しそうに呼んでいましたし、さっきだって……」
新山の愛梨に向ける敵対心からして、てっきり恋人か、少なくともそうした関係の女性だと認識していたが違うのだろうか。
そう告げると、理人は胡乱げな目を向けてくる。
「そういった誘いをかけてくる女性が煩わしいから、君に結婚を持ちかけたのだと話したはずだ」
「それはそうですけど」



