「あなたが隣に置く女性を紹介してくれるなんて初めてね。そういうことなのかしら?」
「ええ。彼女と結婚しようと思っています」
彼が鷹揚に微笑むと、その後ろで新山が「結婚?!」と悲鳴のような声を上げた。エリコはそんな孫娘を視線ひとつで窘める。
「おめでとう。式にはぜひ呼んでちょうだい」
「ええ。もちろんです」
それからすぐにエリコたちとは別れたが、新山はどうしても納得できなかったのだろう。愛梨が理人から離れて化粧室に向かったのを目敏く見つけ、声をかけてきた。
「どうせ政略結婚なんでしょう? 私は理人さんに請われてデザイナーとしてソルシエールにいるの。ただ老舗企業のお嬢さんだからってお情けで仕事をもらってるあなたとは違うのよ」
政略結婚と言われればその通りであるため否定はしないが、ここで話す内容ではない。しかし窘めようにも新山はペラペラと話し続ける。
「彼、もうあなたを抱いてくれた?」



