新山は理人に笑顔を向けつつ、彼の隣に愛梨がいるのが気に入らないようだ。そんな新山の様子に気付いているのか、エリコが愛梨に視線を向けた。
「相変わらず今日も綺麗なお嬢さんを連れているのね」
「エリコ先生、紹介します。彼女は片瀬愛梨さん」
理人がそっと愛梨の背中に手を添える。
(えっ、新山さんの前なのにいいの?)
愛梨は疑問に思ったものの、どうせいずれ結婚するのだ。狼狽しているのを悟られないよう笑顔で姿勢を正すと、丁寧に頭を下げた。
「はじめまして。片瀬愛梨と申します。エリコ先生のお洋服、いつも愛用させていただいています。特に柔らかいニットのデザインが大好きで、学生の頃からずっと着ているんです」
「ありがとう。こだわって作っているから嬉しいわ。片瀬っていうと、もしかして子供服の?」
「はい。父が社長を務めております」
「まぁ、そうなの。つい先日も、スタッフに子供が生まれたからお祝いに使わせてもらったの。とても喜んでもらえたわ」
「ありがとうございます」
すると、エリコが探るような視線を理人に向ける。



