久住や藤森を見ていても、彼女たちがブランドを愛し、大切にしているのがよくわかる。
愛梨も、誰かがカタセの商品を身につけている場面に出会うと誇らしい気持ちになる。今の理人も同じ気持ちなのかもしれない。
そう考えると、これまで理人に対して持っていた苦手意識が少しだけ和らぎ、親近感と尊敬の念が湧く。
愛梨がニコニコしながらそう言うと、理人はなぜか苦虫を噛み潰したような顔をした。
「……今のはうちの服ではなく、あなたを褒めたつもりですが」
しかしその声は、愛梨には届かなかった。理人のぼやきを聞いた朝陽だけが「お姉ちゃん、ドンカンってやつなんだよ」と笑った。
車を走らせて三十分ほどでホテルに着いた。理人にエスコートされて会場に入ると、人々の視線が一斉に自分たちに向いたのがわかる。彼はとにかく人目を引くため、隣に立つ愛梨もまた注目されるのだ。
「……西澤社長って、本当に目立ちますね」
「否定はしませんが、今日の視線の半分以上はあなたに向いていると思いますよ」
「そんなわけないじゃないですか。私は社長のおまけです」



