その言葉に、久住が代表してこれまでの流れを端的に説明する。彼女の説明を聞き終えると、理人はテーブルの上に置かれたデザイン画を手に取った。
「……これは?」
「私が提案したデザイン画です。理人さんの期待に応えるために、この数週間ずっと考えてようやく完成したんですよ。まだラフですが、トレンドを取り入れた自信作です。理人さんの求める世界観にぴったりだと思いませんか?」
新山は嬉々として語りだした。まるでふたりの関係を誇示するように寄り添い、時々愛梨に勝ち誇った笑みを向ける。新山がここまで愛梨を意識しているのは、過去二回のプレゼンの後に理人から呼ばれたのを見ていたからだろう。
(たしかに結婚はするけど、お互いに愛情はないし仕事の延長線上なんだから、私のことは放っておいてくれたらいいのに)
敵視されるのは迷惑だし仕事もやりにくくなる。だからこそ、外に恋人を作るのなら相手にちゃんと説明しておいてほしいという条件を付け加えたのに、まるで機能していない。
(そもそも職場に恋愛を持ち込んでほしくないんだけどな)
愛梨が不満に思っている間にも、ふたりは会話を続けている。



