「だって、カタセの今シーズンのデザイン見ましたけどダサすぎですよ。りすのりっちゃんって、子供向けだとしてもやばくない? あなた、カタセの社長令嬢なんですよね? これ見てなにも意見しなかったんですか?」
カタセのデザインは、原色を使った色使いや大きなワッペンなど、いかにも子供服といったものが多い。着替えをしやすいよう丸みを帯びている昔ながらのシルエットは、たしかに洗練されているとは言い難いが、だからといってここまで貶められる謂れはない。
「この感じでコラボして、五万十万出して買う人なんていません。だったら、ソルシエールのデザインをそのまま子供服サイズにしたらいいじゃないですか」
彼女は自身が描いたデザイン画をテーブルに並べる。
「どうですか? 来季のトレンド一位のペプラムを取り入れました。これならソルシエールの世界観にぴったりだし、小さい子が着ても可愛いですよね」
愛梨だけでなくチームのメンバーがデザイン画を覗き込み、一様に黙り込む。
「たしかにどれも素敵なデザインですが、これをこのまま子供服に転用するのは難しいです」
「はぁ?」



