姉弟の会話に入ってきた彼に、愛梨は目を丸くする。
「それに、俺も朝陽くんのお兄さんになるんだ」
「えっ! そうなの?」
キラキラした表情で朝陽に尋ねられ、戸惑いながら頷く。ちらりと横目で理人を盗み見て、愛梨は固まってしまった。
理人はこれまで見たこともないような優しげな表情で朝陽を見ていたのだ。
(……そういう顔もできるんだ。意外と子供好き、とか?)
愛梨の中の理人の印象といえば、仕事中の厳しい顔つきか、貼り付けたような作り物の笑顔、契約結婚を持ちかけてきた時の黒い笑みくらいだ。
愛のない結婚を提案してくるくらいだから、きっと他人に興味がないのだろうと思っていたのに。
「どうかしましたか?」
「いえ。なんでも……」



