脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


十一月中旬。愛梨と理人は互いの実家へ結婚の挨拶の場を設けた。

愛梨は緊張しながら理人の両親と対面したが、理人から『両親とも君を歓迎している』と聞いていた通り、ふたりともにこやかに出迎えてくれた。

理人の父親はソルシエールの会長職に就いており、カタセが持ちかけた共同商品開発についても反対はしていないようで、『楽しみにしているよ』と激励の言葉をもらった。

突然の結婚報告だったにも関わらず理人の両親からあたたかく迎え入れられ、愛梨は居心地の悪さを感じる。

(愛のない契約結婚なのに……おふたりを騙しているようで申し訳ない気分)

後日、愛梨の実家に理人が訪れた時もまた、同じような罪悪感に囚われた。

『結婚しようと思ってるの。お相手が挨拶をしたいそうだから、時間を取ってもらえる?』

そう父に頼んだ時、動きを止めた彼は〝目玉が飛び出る〟という表現がぴったりな顔をしていた。