「西澤社長、たしか前回もそう言って片瀬と話してましたよね? なにか問題があるのでしたら、私も同席してお話を伺いたいのですが」
「いえ。個人的な話なので」
隙のない笑みできっぱりと断る理人に、真山は怪訝な表情を浮かべている。
「個人的な話って……」
「真山さん、大丈夫ですよ。私も西澤社長にお話ししなくてはいけないことがありますから」
「……本当に平気なんだな?」
「はい」
いずれ事情を説明する時がくるだろうが、それは今ではない。心配させまいと大きく頷き、真山と美嘉には先に社へ戻ってもらった。
「行きましょうか」
「ええ」
久住と藤森は不思議そうにしていたし、新山は敵意丸出しで睨んでいたけれど、愛梨はそれどころではない。
これからする話の内容を考えるだけで、どんどん気が滅入っていく。



