「ファッション業界は売れたデザインを〝トレンドの共有〟って誤魔化して似たような服を売り出すハイエナが多いけど、コラボとか言って甘い汁を吸おうとするなんて、ちょっと品がなさすぎなんじゃないですか?」
終始この調子で、仕事相手に対する礼儀や敬意が一切感じられないのだ。
「新山さん、失礼な発言は謹んでください」
久住が慌てて「申し訳ありません」と愛梨たちに頭を下げるが、新山はどこ吹く風といった様子だ。
「どうしてですか? 久住さんだって理人さんの求めるソルシエールの世界観に、時代遅れなデザインの子供服は合わないと思ってますよね?」
(……『理人さん』、ね)
愛梨が新山に白けた目を向けていると、隣の美嘉がにこやかな笑みを浮かべたまま「張り倒したくなってきた」と小声で呟く。可愛らしい見た目で毒を吐く彼女を、愛梨は横目で窘めた。
「気持ちはわかるけど、今は堪えて」
「わかってる。脳内だけにするわ」



