その後、お風呂を終えて朝陽に読み聞かせをしていると、父の慎太郎が帰宅した。
「お父さん、おかえりなさい」
「おっと。ただいま。朝陽もまだ起きてたのか」
じゃれつくように突進していった朝陽を受け止め、父が笑う。
会社では上司だが、自宅では普通の父親だ。社長とあって忙しく、毎日定時で退社するというわけにはいかないけれど、愛梨や朝陽のことをちゃんと気にかけてくれている。
「お姉ちゃんに絵本読んでもらってた」
「そうか。でもそろそろ寝る準備をする時間だろう」
「はぁい」
素直に寝室へ向かう朝陽とおやすみの挨拶をして、夕食をとる父の向かいに座ってコーヒーを飲んでいると、慎太郎が料理から視線を上げた。



