(でも、結婚したら無理とか言ってられないよね。でも、まだ仕事を続けたいし……)
悶々と悩んでいると、隣に座る朝陽が無邪気な声を上げた。
「ねぇ、お姉ちゃん。今日はね、卒園式の練習をしたんだよ。僕、代表さんをするんだ」
「代表さん?」
「そう。いちばんに卒業証書をもらう役だよ。こうやって、ぴしってするの」
「すごい、カッコいいね!」
ハンバーグを頬張りながら、今日の保育園でのできごとを楽しそうに話してくれる。静江の作ってくれたご飯を朝陽と一緒に食べるのが、愛梨にとって一番癒される時間だ。
どんなに仕事で疲れていても、落ち込むことがあったとしても、彼の顔を見れば気持ちが和み、心が休まる。
(ふふ、今日も朝陽は可愛いなぁ。それに賢い。私の弟は世界一可愛い)
彼の笑顔を見ていると、悩みなどすべてなくなっていく気さえする。



