最近、こうして素の笑顔を見せてくれることが増えたように思う。それがとてもくすぐったい。
「パーティーの準備の時、指輪のサイズを聞いておいてよかった。愛梨の華奢な指によく似合う」
「ありがとうございます。嬉しいです」
「……そうやって喜んでくれるということは、いつか俺と本当の夫婦になってくれる気があるんだと、少しは期待してもいいか?」
熱のこもった眼差しが、愛梨の心を射貫く。
気持ちを落ち着かせようと、眩しいほど輝く指輪を撫でた。ダイヤが全周に並んでいるためずっしりと重量があり、それがこの結婚の重みのようにも感じられる。
きっと、理人の妻という立場は楽しいだけではない。目立つ彼の隣にいると愛梨もまた注目され、様々な噂や悪意のある言葉に翻弄されることもあるだろう。
それでも――。
(私は、理人さんと本当の夫婦になりたい)
愛梨は深みのあるブラウンカラーの小さなギフトボックスを、先ほどの理人と同じようにテーブルにそっと置いた。



