ピロン、と通話が切られた音がする。
(もう、朝陽ったら……!)
愛梨は頭を抱えたい思いでスマホをバッグに戻し、正面に座る理人にチラリと視線を送る。
「……聞こえてました?」
「はは、相変わらず頼もしい味方だ。全力で頑張るよって返事すればよかったな」
「もう。覚えたての言葉を使いたがるんです。あんまり変なことを教えないでください」
照れくささに耐えきれず愛梨がじろりと睨みつけると、彼は笑って肩を竦める。
こうして怒ったふりをしていないと、このあとの展開を考えて緊張して挙動不審になってしまいそうだった。
「愛梨。これを受け取ってほしい」
食事を終えたタイミングで、理人が濃紺の小箱をテーブルに置いた。
クリスマスディナーの終盤に贈られた、この形状の箱の中身がわからないはずもない。



