「では真山さん、よい週末を」
「あっ……お、お疲れ様でした」
「……あぁ。また来週な」
愛梨は真山に会釈する間もなく、理人に押し出されるように歩き出した。
やって来たのは、商業施設内にあるフレンチレストラン。理人が予約をしてくれていたらしく、すぐに個室に案内された。
ロココ調のクラシックなインテリアは華やかながら落ち着いた雰囲気があり、上質な空間が広がっている。
理人はスーツだから構わないだろうけれど、愛梨はシンプルなオフィスカジュアルといった出で立ちだった。そのため、一度商業施設内にあるアパレルショップに寄り、クリスマスディナーに相応しい服を購入して着替えを済ませている。
その際、「うちの店舗が入っていれば完璧だったんだが」とぼやく理人に、思わず笑ってしまった。
「理人さん、本当に自社製品に思い入れがあるんですね」
「それもあるが、単に自社製品で愛梨を染めたい男の独占欲だ。でも、そのドレスもよく似合ってる。すごく綺麗だ」



