エレベーターが一階に到着し、ふたり揃ってエントランスを歩く。
「それならいいけど。なんていうか、執念深そうな顔してたろ」
「普通にしてたらアイドルみたいに可愛いのに、もったいないですよね。よほど私と理人さんの結婚が許せなかったんでしょうか」
「……理人さん、ね」
真山の声がわずかに険を帯び、不思議に思って隣を歩く彼を見上げた。
すると、射貫くような眼差しで見つめられていることに気付く。
「なぁ。その結婚、本当に大丈夫なのか?」
「えっ?」
「あの女の言い分を真に受けるわけじゃないが、もしも今回のコラボを盾にして関係を迫られたんなら――」
「愛梨!」
名前を呼ばれた愛梨と真山が同時に振り返る。そこにいたのは、焦った顔をした理人だった。
「理人さん」
驚いて声を上げると、彼は足早にこちらにやって来る。



