それに互いの会社の意向ではないとはいえ、愛梨はこの企画と引き換えに理人との結婚を決めた。身売りなどと言われるような真似はしていないつもりだが、政略的結婚だったのは事実。
そう思うと、彼女たちからの励ましを正面から受け取るのに多少の罪悪感がよぎる。
「愛梨!」
パン、と美嘉に背中を叩かれる。
「余計なことは考えない。大事なのは今よ。それに、今日は大切な日でしょう?」
すべてを知っている彼女には、愛梨がなにを感じているのかお見通しなのだろう。暗い顔をした愛梨を見かねて、発破をかけてくれているのだ。
(そうだ。結婚を決めたきっかけはどうであれ、今はお互いに想い合っているはず)
企業再興を懸けてコラボを打診したけれど、カタセの技術や商品だってソルシエールには負けてないし、依存するんじゃなくて互いの利益になる企画なのだから卑屈になってる場合ではない。



