「西澤社長、頭を上げてください。今回に限らず、彼女には前々から当社を不当に貶めるような発言が多々ありました。残念な結果ではありますが、御社が迅速な判断をしてくださったことに感謝します。私どもとしても、このコラボ企画をぜひ成功させたいと考えていますので、気持ちを切り替えて前に進めればと思います」
「寛容なお言葉をいただき感謝します」
そして彼は室内全体に視線を走らせ、「お騒がせしてすみませんでした。話を元に戻しましょう」とテーブルの上にある会議資料を手に取った。
「コンセプトやデザインはこの方向性でいきましょう。並んだ時に完成するデザインもいいですが、他にも親子で繋がっているデザインが欲しいですね。たとえばモチーフを合わせたり、ストーリーを繋いだり、アイテムによって変えるのもいいかもしれません」
「わかりました。考えてみます」
「それから――」
彼から様々な指示が飛び、愛梨もそれらを聞き漏らさぬようメモをとる。
けれど内心は、不安でいっぱいだった。
(まさか職場でまで『身売りする女』なんて言われるとは……)
新山のあの発言を聞いて、ここにいるメンバーはどう思っただろうか。



