「弊社が起用したデザイナーの不適切な発言により、ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。お聞きいただいた通り、彼女との契約は終了し、早急に新たなデザイナーを選定してお知らせさせていただきます」
カタセ側のスタッフに頭を下げる理人を見た新山は、顔を真っ赤にして震えていた。まさか本当に契約を解除されるとは思ってもみなかったのだろう。悔しげに唇を噛み締め、愛梨を睨みつけている。
理人は「すぐに戻ります」と言うと、新山を連れて会議室を出ていった。
バタンと扉が閉まっても、誰も言葉を発しない。
室内がしんと静まり返る中、真山が気遣わしげに尋ねてきた。
「……片瀬はいいのか。このままこの企画を続けても」
きっと新山の悪意の矛先が愛梨にのみ向けられていると、真山も気付いているのだろう。だからこそ、理人の謝罪のみで許していいのかと確認してくれているのだ。隣に座る美嘉も、心配そうにこちらを見つめている。
「大丈夫です。カタセに対しての暴言は許せませんが、ソルシエールとしての意見でないことは明白ですし。私、この企画に懸けてるんです。こんなことで頓挫するなんて冗談じゃありません」



