「以前から不快だったんだが、その馴れ馴れしい呼び方を改めてくれ。ここは職場だ」
「えっ……」
「進捗を聞きます。久住さん」
彼は新山を一瞥しただけで切り捨てると、久住にこれまでの流れを説明させた。
「なるほど、いいですね。これならうちの世界観やカタセの安全基準を守ったまま、親子のリンクコーデを楽しめる。全く同じデザインの親子服は世に多くありますが、こうした着眼点は新鮮だ。それに、親子で色んな意見を交わしながら買い物をするという体験もできそうです」
そう言いながら、理人は愛梨に視線を向ける。
この案は、彼が休日に店舗へ連れて行ってくれたおかげで生まれた発想だ。それを知っているのは、愛梨と理人だけ。その秘密の共有がくすぐったい。
まるで「よくやったな」と言わんばかりに微笑まれた。愛梨は場違いにニヤけそうになる顔を引き締めるため、唇を噛みしめなくてはならなかった。
「私もこの提案はすごくいいと思います。ただ……」



