脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


新山は鼻で笑う。

「なんのために私を起用したんですか? 可愛くてソルシエールの世界観をデザインに反映させてほしいからですよね。それなら、カタセのお嬢様に忖度しないで、私の意見を第一に聞くべきなんじゃないですか?」
「新山さん、一旦下がってください。あとできちんと話し合いましょう」
「下がりません。私は理人さんから直々に依頼されて契約してるんです。あなたの命令に従う理由はないですから」

久住が新山を抑えている間にも、藤森や他のソルシエールスタッフは眉を下げ、こちらに対して申し訳なさそうな表情をしている。それを見ていると、新山とずっと一緒に働いている彼女たちが気の毒になった。

「騒がしいな。何事ですか」

会議室のドアが開き、理人が入ってきた。いつもなら緊張する場面だが、今日に限ってはホッとしてしまう。それは愛梨だけでなく、ここにいる全員が同じ気持ちだろう。

「理人さん!」

嬉しそうに満面の笑みで振り返る新山に、理人は眉をひそめる。