それらをすべて解決するために必死に考え抜いた概要を、ミーティングでソルシエール側に共有する。
「自分が着たい服、大好きな家族と繋がっている服、ですか。シンプルだけどいいですね」
「このデザインは、並んだ時にひとつの大きな絵になるんですね。SNSでも映えそうです」
「単純なお揃いではないという部分も自分らしさを尊重できますし、今の時代に沿っていると思います」
ソルシエール側の社員からも好評を得られ、愛梨は真山や美嘉と視線を合わせて頷き合う。
しかし、やはりと言うべきか、新山が不満げな声を上げた。
「これだと、コラボの意味がなくないですかぁ? 裏地だけ一緒って地味すぎて誰が気付くの?」
「この資料を見ていただくと分かる通り、素材やデザインが違っていても、リンクコーデとして認識してもらうことは可能です。親子で一緒に買い物をしながら、自分の好きな服を選ぶ、それが大好きな家族と繋がっている服というのが届けたいコンセプトです」
愛梨に続き、黙っていられなかったのか美嘉も応戦する。
「デザイナーなら、裏地までこだわる意図はわかってもらえますよね? 今回のテーマにもあるように、動くことで美しさを見せられるカッティングにして、そこからお揃いの柄が見えるというのは十分コラボする意義がありますし、地味だなんて思いません」
「でもそれって結局、ソルシエールの可愛いワンピースを着た母親の隣に、ダサい子供服が並ぶってことですよね」



