美嘉に指摘され、胸の奥がズキンと音を立てて痛む。
結婚する時には、なにも気にしたりはしなかった。彼にどんな過去があろうと、現在進行形でどんな女性と関係を持とうと、愛梨にとってはどうでもよかった。むしろ『今後は女性と遊ぶ際、人目につかないようにお願いできますか?』と、浮気を公認するような条件さえ出していた。
けれど今、改めて美嘉の口から理人の女性関係を聞き、苦しくて息が詰まりそうになっている。この感情は過去に抱いたことはない類のもの。けれど、それがわからないほど鈍感ではないつもりだ。
胸を押さえて大きく息を吐くと、美嘉が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「……ごめん、意地悪な質問だった。真相がどうであれ不愉快に決まってるわよね」
「美嘉、私……」
今、はっきりと自覚した。
この不快感は、以前の嫌悪感とは違う。彼と他の女性が並んでいたのを思い出し、嫉妬しているのだ。
「理人さんのこと、好きかもしれない」



