言い淀んでいるけれど、その続きはおおよそ予想がつく。先ほど話題に出た噂についてだろう。
結婚が決まった経緯については、ここで話す気はない。だから愛梨は大丈夫だと伝えるために大きく頷いてみせたのだが、真山は無言で唇を噛みしめた。
「それは……おめでとう、でいいのかしら?」
怪訝な表情の美嘉に尋ねられ、愛梨は微笑んだ。
「うん。ありがとう」
「仕事は続けるのよね?」
「もちろん。全力でこのコラボ企画を成功させないと! できれば第二弾だってやりたいしね」
愛梨は再び企画書に視線を落とす。
「だから、ほら。もう少し企画を詰めよう」
暗にこの話題はこれで終わりだと示すと、一番最初に平静を取り戻したのは美嘉だった。



