「これならソルシエール側にも受けて入れてもらえそうですね」
「私もそう思うわ。ただ……」
口ごもった美嘉は、ちらりと愛梨を見やる。きっと同じ人物の顔が脳裏に浮かんでいるだろう。愛梨も苦笑いを返すしかない。
「知ってた? 新山さんって、新山エリコのお孫さんなんだって」
「えぇ?! それ完全なコネ採用じゃない!」
「ううん、一応新山さんを起用したのはブランド統括の久住さんだって話だよ。学生時代は色んな賞を受賞してるみたいだし、実力は確かなんじゃないかな」
「だとしても、人間性まではチェックできていなかったみたいね。あの自分以外を下に見てる感じ、ほんっとに腹が立つわ」
思い出すだけで怒りが湧いてくるのか、美嘉は苛立たしげに顔をしかめた。デザイナー部である彼女は、カタセのデザインを貶す新山に対して相当思うところがあるようだ。
それは美嘉だけでなく、愛梨も同じ気持ちだ。自社の商品を目の前で貶められて、いい気分で仕事ができるはずがない。
(とはいえ、自社のデザイナーじゃなくて新山さんを起用したところを見ると、ソルシエール側は彼女に期待してるんだろうなぁ)
「それに、やたらと愛梨を敵視して睨みつけてるのも感じ悪いわよね。社長令嬢がお遊びで働いてるとでも思ってるのかしら」



