脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


彼に対し失礼だし、不誠実なのではないだろうか。

「愛梨? どうした?」

色々考えて、じっと彼の顔を見つめてしまっていた。慌ててなんでもないと返し、手にしてたコーヒーを飲む。

ふと、今朝の出来事を思い出した。

(もしもあの時、朝陽が起きてこなかったら……)

恋愛偏差値が底をついていようとも、さすがにわかる。あのまま朝陽が来なければ、きっとキスされていた。

手に触れられるのも頬に触れられるのも嫌だとは思わなかった。それが自分の気持ちなのかもしれないけれど、まだ自信が持てない。

「今日は愛梨も公園でたくさん走ったし、疲れただろう。明日から仕事だし、早めに休もうか」

穏やかな口調で言った彼の言葉に、愛梨が過剰に反応する。鼓動が大きく高鳴り、心臓が口から出てきてしまいそうだ。

(どうしよう、昨日よりも緊張する……!)