愛梨も子供の頃から運動神経は悪くなく、運動会ではそこそこ活躍していたタイプだったが、如何せん社会人になってからは仕事ばかりしていたため体力が落ちてしまっている。
あっさりと彼らの作戦通りに挟み撃ちされ、ぎゅうっと可愛らしい鬼に捕まってしまった。
「兄がいたし、一緒になってやんちゃしてたな」
「あまり子供の頃の理人さんって想像つきません。今後ご実家に行く機会があったら、お義母さまに写真を見せてもらおうかな」
「それを見て『うちの朝陽の方が可愛い』って言うんだろう、君は」
「あはは、バレました?」
愛梨が声を上げて笑うと、彼もふわりと柔らかい微笑みを浮かべる。そのふとした表情に好意が滲み出ているように見えて、そわそわと落ち着かない。
(これって自意識過剰……?)
昨夜、理人から思いがけない告白を受けた。
愛のない結婚を提案してきた彼とは別人のようで、正直に言えば今でも信じられないでいる。



