(こんなの、期待するなという方が無理だ……)
身体がぶわっと熱を持つ。まるで蜜蜂が美しい花に吸い寄せられるように、理人が愛梨の唇を奪おうとした瞬間。
「お姉ちゃん、理人、おはよう!」
廊下から続くドアからひょっこり顔を覗かせた朝陽が、嬉しそうに走り寄ってくる。
「あ、朝陽……!」
「おはよう、朝陽くん」
大袈裟なほどビクッと身体を跳ねさせた愛梨は、素早く下がって理人と距離を取った。
「ふふっ。お姉ちゃんと理人、朝からラブラブだね!」
「ら、ラブラブじゃないから!」
「えぇー、違うの?」
無邪気に首をかしげる朝陽に、愛梨は頬を赤くしたまま言葉を詰まらせている。



