脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


口を尖らせる愛梨だが、彼女は誰が見ても美しく、一生懸命で可愛らしい女性だ。そんな愛梨がモテなかったはずがない。

理人が絶句していると、愛梨は不安そうに尋ねてきた。

「……この年で恋愛したことないのって、そんなに変ですか?」
「いや、変というわけではないが……」

ふと、ある考えが浮かんだ。

「愛梨は……いずれ自分は政略結婚すると、学生の頃からそう考えていたんじゃないか?」
「それは、まぁ。一応老舗企業の社長の娘ですから、朝陽が生まれるまではそういうこともあるかもしれないって覚悟はしてましたけど」
「なるほどな。だから自分には恋愛は必要ないと考えて、無意識に男に壁を作っていたんだろう。そうじゃなかったら、愛梨は今、俺の隣にはいなかったはずだ」

理人の言葉に、愛梨は首をかしげる。

「どういう意味ですか?」
「好きな男に愛されるという幸せな経験をしていたら、愛のない結婚など到底受け入れられなかったはずだ」