翌週。愛梨は休憩室で缶コーヒーを飲みながらひと息ついていた。
明日はソルシエールへ二度目のプレゼンが控えている。あれから何度も打ち合わせを重ね、ソルシエール側と協議するためのプレゼン資料が完成した。
この企画が成功すれば、カタセの商品が流行に敏感な若い世代にも浸透するかもしれない。贈り物や特別な日に着る服だけではなく、消費者の日常に寄り添う服を届けられる。そう考えればワクワクするし、好評ならばコラボ企画の第二弾なども提案したいと考えている。
しかし今の愛梨の心は、そうした期待とは対称的に暗く淀んでいた。
(明日、西澤社長に返事をしないと)
コラボ企画と引き換えに、愛のない結婚をする。それはまるで、理人の周囲に蔓延る噂を肯定するかのようだ。
(『西澤社長と寝ると仕事がもらえる』っていうのも、あながち嘘じゃなかったりして……)
そんなことを考えていると、休憩室に真山が入ってきた。



