脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


けれど異性として、恋愛対象として意識しているかと言われると、すぐに頷くことはできない。

どう答えたらいいのかわからずに困惑する愛梨に、理人は小さく笑った。

「今の段階で同じ気持ちを返してほしいなんて図々しい思考は持ち合わせてない。愛梨の中の俺の評価が散々なのは身に沁みてわかってるからな」
「それは……」
「でも、本当の夫婦になるのを諦めるつもりはない。これから全力で君を口説く」

彼は悩ましいほどの色香を纏い、希うように気持ちを言葉で伝えてくる。

「愛梨が好きなんだ」

結婚を提案してきた際、『恋愛をしたいとも思わないし、そんな暇もない』と言い放っていたはずだ。なぜ急にこんなことを言い出したのか、理人の考えていることがさっぱりわからない。

「好きって……理人さんが、私を?」

愛梨の視界に映る理人の瞳には、見たことのない熱が灯っている。手を握っている方と反対の手が頬に伸ばされた。