「そんなに怯えなくても、取って食ったりはしない」
「そこは別に心配してませんけど……」
彼が女性に困っているはずがないので、わざわざ自分に手を出してくると思っているわけではない。ただ家族以外の男性と寝室でふたりきりだという事実に緊張しているだけだ。
すると、理人が微妙な顔をする。
「なんですか?」
「いや。それよりも、ひとつ謝罪したいことがある」
「謝罪、ですか?」
愛梨が首をかしげると、彼は姿勢を正してから口を開いた。
「コラボ企画と引き換えに結婚の話を持ちかけたことを、ずっと謝りたいと思ってた。君がどれほどの思いでうちに企画を持ち込んだのかを知れば知るほど、あまりにも失礼な言動だったと後悔している」
苦しげに表情を歪めた彼は両手を膝の上で組み、じっとこちらを見つめている。



