脅迫婚?!~悪い噂の絶えない社長が、実は誠実で一途だったなんて信じられません!~


クスッと笑った理人は、朝陽の話を次々と振ってくれる。それが彼の気遣いだと察せないほど鈍くはない。ありがたくその気遣いに甘え、ぎこちなさを悟らせないよう言葉を返していく。

理人と話すのは楽しく、気づけばあっという間に就寝時間がきてしまった。

「もうこんな時間か。そろそろ寝るか」
「そっ……う、ですね……」

上擦った声が出てしまい、小さく咳払いする。

(こんなに意識してるのは、きっと私だけなんだろうな……)

そわそわと視線を彷徨わせたり、無意識に髪を触ったりしている愛梨とは違い、理人はいつも通りに見える。

経験豊富な彼にとって、たった一晩同じ部屋で眠るくらいなんでもないことなのだろう。

けれど愛梨は違う。彼に対する恋愛感情はなくとも、緊張してしまって眠れる気がしない。

「あの、私はリビングのソファで寝るので……」
「それを万が一、朝陽くんに見られたら?」
「う……それは困る、けど……」