「か、顔合わせの時から思ってたんですけど、理人さんって子供好きなんですね」
「子供好きというか、昔から弟がほしかったんだ。俺は兄しかいないから」
「あぁ、外交官をしてるっていう。理人さんと似てますか?」
「どうだろう、あまり似てないんじゃないかな。兄の方が見た目は穏やかそうに見えると思う。実際は策略家で腹黒だし、なんでも仕事に利用するタイプなんだけど」
「内面はそっくりじゃないですか」
思わずツッコむと、理人はわざとらしい渋面を作る。彼とのこうしたやり取りが楽しく、愛梨は声を上げて笑った。
「お姉ちゃん、理人、夜ご飯はなににするの?」
朝陽に尋ねられ、はたと我に返る。
今日はたまたま理人に誘われて出掛けた先でランチを共にしたが、普段の食事はすべて別々だ。愛梨が夕食を作ることは皆無だし、理人がキッチンを使っているところも見たことがない。
そんなことを知らない朝陽が、無邪気に「僕、ハンバーグがいい!」とリクエストする。
「ハンバーグ……」
「そう! 静江さんが作るみたいにおいしいやつ!」
「うーん……」



