ってそうじゃない!
その一言で観念したかのように晴翔くんは戻って来た。
チクッ。
その瞬間痛そうにして顔を歪めた。それでも泣いてなかった。
偉い・・・・・!
「お大事に」
私は知らなかった。
見送ったはずの獣がまだこちらをしっかりと捉えていたことを。
ふぅ。
一息つく。
相変わらずかっこよかった!
声と顔だけであの威力。しかも性格優しくて、かっこよくて、頭に良くて、運動もできて、
「・・・・・ます?」
「聞いてます?河合先生」
おっとっと。つい自分の世界に入り込んでしまうところだった。
「どうしました?」
院長先生が直接私に話しかけてくるなんて珍しい。
「今日なんかスケジュール組むのミスって当直人多いので帰ってください」
なるほどなるほど。
え
え
ん
「え帰るの私!!!!!!」
医局がシーンと静まり返る。
「し、失礼しました〜」
やっちゃった。めっちゃ大きい声出しちゃったよぉ。
名指しで帰宅命令って私なんかやらかしちゃいました、、、?
「普通に休日でもいいし、別日働くなら空いてる日言って」
あそんなことなかった。
ちょっと安心。
それだけ残して院長先生はどっかに行ってしまった。


