君を救う、たったひとつの間違い



「みんな、おはよう。喜べ〜、朗報があるぞ。なんと今日から、このうさぎをこのクラスで飼うことが決定しました!」

開口一番、男の先生がズラリと並ぶ子どもたちにそう告げた。

顔を見なくても分かると言った弾んだ先生の声に負けないほど、子どもたちも大きな歓声を上げる。

動物園のうさぎの餌やりコーナーはかなり人気で、ぼくの親戚の友達も、毎日たくさんの子どもたちから餌を食べさせてもらっていると風の噂で聞いた。

うさぎは動物の中でそれくらい人気なのだと、ぼくは今さらながらに思い知る。

「せんせーい、うさぎはオスなの?」

と、見るからにヤンチャっぽい男の子が質問を飛ばした。

「おお、このうさぎはな――って、普通に言うのはつまんないよな。じゃあ、オスだと思うやつは一発ギャグをしろ!」

えー!?だか、無理だって!だかの反応が混ざって聞き取り不能のブーイングが起こる。

第一印象、テンションが高いと先生を捉えたけど、これは想像以上だ。

いや、テンションが高いというよりもノリがいいというか。

「――はいっ!!」

すると、『うさぎ(とは言うまでもなく、ぼくのことだ)はオスなの?』と質問してきた男の子が、大きな声と共に椅子から立ち上がった。

「おっ、露木(つゆき)!いくか!?」

「はいっ!露木朔也(さくや)、いっきまーす!」

そう宣言した露木くんが、体が反るほど息を吸った。

教室の空気をまとめて吸い取るかのようなそれの後、露木くんの口から一発ギャグが飛び出す。