守ってやる。



私を救ってくれたのは



ダークマター暈(クラ)だった。


暈は繁華街に蔓延る麻薬、違法薬物所持から取り仕切るリーダー的存在。


そんな暈に恋したのは、

私が監禁されていた場所で


救済してくれた、から。


ソファーに沈み込みアイドル並みの相貌で
甘えてくるようになったのは、


私が制服姿でアジトに現れてからだ。


普段履かないミニスカートに生足に


キュンとくるものがあったのかもしれない。



ペースダウンさせてるけど。近頃敵対する輩が
厄介だから甘えるのを極端に減らしてる。


「私以外に守れる人いるでしょ!」


と豪語する。



私より君達の世界の方を心配してほしい。


広く厚いんだから。




「俺が団体から抜けしたら結婚してくれるか?」



「うん、収まったらね」


私は期待を裏切らない。



「分かった。早めにケリ着ける」




本当に早くケリつけちゃった。



私の方を見、残骸を避けて場を変更して結婚式場へ。



「〜〜誓いますか?」


「誓います」



お互い夫婦になれた。



私は連絡つかなくなった携帯を見ては、



ため息を漏らす。


風呂場でも、脱衣場でも。頭から離れてくれない。



「もういいよ、お前は。さよなら」



聞いたことない声だった。



若く少年のようで冷たくドスの効いた声で響いた。



留守電に残された会話の一部。



てことは、私の身が一番危険にさらされてる、


ことで。



まさか、そいつと再婚する羽目になるとは──。



「好きだよ」
「可愛いね」
「頭撫でてあげる」
「こっちおいで?」


仲間に関しては、


「視界に入れんな、カス共」
「殴られたいか?今」
「触んなって言ってるだろ」


と煮えくりかえりそうなほど憤慨して。


結構今の方が好き……かも、
なんて思ってる自分が居て。


墓参りは同席してくれた。


虚しそうな目で、


「こうするしかなかったんだ」


と懺悔。



過去の傷も癒せたらいいのになって思う。



動機については触れられたくない位置情報を盗まれたかららしく。



その後まんまと警察に捕まった。


「俺のことずっと思い出せよ」
「ペアリング。繋がってる証拠だ」


警察はこちらの匂いを嗅いでいたらしい。


逮捕に至った。


私の彼氏2人とも拉致られた気分で、


すこぶる気分が悪かった。


暗い蝶になり、枝に止まり眠る。


もう居ないんだ。誰も彼も。


悲痛に叫んではカーテンを引き裂いた。



暗い夜は変わらず止まり続ける──。



絞首しようとした途端、電話が。


市の訪問看護からだった。



私の様子が心配で精神科を勧められた。



この涙は病気のせいなの──?




嘘よ。




拒んでるのは死だった。



やむ無く訪問看護を受けることに。


精神科にも通うようになり、


心は花壇を荒らされた状態。


傷を癒やしてくれ、薬は飲んだら効くのか


半信半疑だったけど飲むことに。


苦痛から逃れた。



涙が出てくる。



この感傷はどこからなのか整理して分かった。



ホームシックだったんだ。ただ、ホームシック。



家に帰ると揚げたらいいだけのおかずを


手にし、調理する。