奇怪な天才は、私の不運をゼロにする。


どうか、まともな人と組めますように。
私は、差し出されたクジの箱に、心の中で祈りながら手を伸ばした。

「3班引いた人!だれ~?」

遠くのほうから、実夕の声が聞こえる。

私は握りしめていたクジを開き、そこに書かれていた数字を見て、歓喜した。

「やった!」

ここで自分の不運体質が牙をむかなかったことに、自分自身驚いていた。

「実夕!私、3班~!」
「やったぁ!私たち、ついてるね~」

私と実夕は、手を取り合って喜ぶ。

「でも、あと1人いるよね」
「うん、誰かなぁ」

幸運の余韻に浸りながらそんな会話をしていた、そのときだった。

「僕です。……3班」

背後から聞き覚えのある声がした。
低い、けど耳に妙に残るような、この繊細な声は……。