奇怪な天才は、私の不運をゼロにする。


あんなに気持ちを揺さぶられる出来事があったというのに、朝はいつも通りやってくる。

けれど今日組み込まれていたのは、退屈な座学なんかではなく、“課外授業”だった。

表向きは新しいクラスの親睦を深めるため、となっているけど、実際はただの遠足に過ぎない。

授業とは程遠い、浮わついた空気が教室に漂っていた。


「お前ら、自由にしておくとどうせ迷子になるヤツが出てくるからな。今回は3人1組のグループ行動にする。今からクジを引け」

教壇に立つ先生が、わざわざ私のほうを見ながらそう告げる。
その瞬間、クラスのあちこちから笑い声があがった。

周りは面白がっているけど、何を隠そう、1年生のときの課外授業で本当に迷子になり、大捜索の末に保護されたのは他でもない、この私……。

思えば私の不運体質は、あの頃からすでにクラスの共通認識として定着していた。