奇怪な天才は、私の不運をゼロにする。


キーンコーンカーンコーン……。
チャイムの音が学校に響き渡る。

「おはよっ!」

私は息を切らしながら、新しいクラスに駆け込んだ。

「春野~、また遅刻かよ!」
「2年になってからも不運は健在だな~!」

1年の頃から私の不運体質を知っている顔ぶれから、呆れたような声があがる。

「チャイムと同時なんだから、セーフ!遅刻じゃないもんっ!」

荒い呼吸を整えながらそんな弁明をし、座席表で確認した席へ向かう。

机の上にスクールバッグを置き、私は何気なく隣の席へ視線を向けた。
その瞬間、奇怪な空気を纏った男子生徒が座っていることに、驚く。

身体に合ってない、ブカブカの制服。
目にかかる、少しパーマがかった黒髪。

そんな彼は、周囲の視線なんか最初から存在していないかのように、黙々とマカロンを食べている。