「もう!なんでサラっとあんなこと言えるのよ、バカなの!?」
切り株に腰掛け、独り言をこぼす。
頬の熱を冷まそうとすればするほど、胸の奥のドキドキが大きくなっていく。
「……ああ、そろそろ戻らなきゃ。実夕が心配する」
あまり長時間戻らないのも不自然だと自分に言い聞かせ、立ち上がる。
早く実夕と普段通り何気ない会話ではしゃぎながら帰りたい。
そう思って一歩踏み出した、そのときだった。
……!
ウソでしょ!?
地面があるはずの場所には、何もなかった。
生い茂る草木に隠れていたのは、急な斜面。
私の身体は成す術もなく転がり落ちていく。
「誰か……!」
声にならない悲鳴が、虚しく口からこぼれた。
