奇怪な天才は、私の不運をゼロにする。


チュンチュン……。
朝を告げる鳥のさえずりと、カーテンの隙間から差し込む光。

「んー……」

眠い目を擦りながら、私は枕元の時計を見る。
時計の針が示していたのは、8時ちょうど。

「……!!嘘でしょ!?」

さっきまでの心地よい眠気なんか、一瞬でどこかへと吹き飛んだ。


私、春野柚葉(ハルノ ユズハ)は、今日から若葉学園高等部の2年生。
幸先良いスタートを切るはずの始業式で遅刻するなんて、最悪すぎる……!

私は急いで支度を済ませ、家を飛び出す。
いつもは歩いて登校している道を、今日は全力で走った。


目覚まし時計は昨日、ちゃんとセットした。
それなのに、どうしてよりによって始業式の日に鳴らないのだろう……。

けれど、それ以上の追求は無意味だと、私は理解もしていた。

生まれつき、私はそういう星のもとにいる。
神様から嫌われているのではないかと錯覚するほどの不運体質。

私の人生には、たびたびこんな風に理不尽な出来事が当たり前のように降ってくるのだ。