病院を出る。
外は。
いつの間にか朝になっていた。
数時間前まで。
店はあれほど賑やかだった。
シャンパンが開いて。
笑い声が響いて。
誰もが楽しそうにしていた。
それなのに。
今は。
3人とも一言も喋らない。
「……代表」
湊が口を開く。
「ん?」
「今日は、もう休んでください」
「……分かってる」
けれど。
蓮の足取りは重かった。
頭の中に。
何度も。
あの瞬間が蘇る。
銃声。
由夏が自分の前へ飛び込んできた瞬間。
倒れた身体。
赤く染まった服。
そして。
__自分より先に、俺を逃がそうとした。
「……なんで」
蓮が呟く。
「なんで、あいつ……」
愛莉が隣で俯く。
「由夏ちゃんやからちゃう?」
「……」
「たぶん」
愛莉の声は震えていた。
「自分のことより、いつも人のこと考えるから」
蓮は何も言えなかった。
