廊下。
愛莉と湊が立ち上がった。
「どう、やった......?」
「……一瞬だけ、起きた」
「ほんま!?」
愛莉の目に涙が浮かぶ。
「うん」
蓮は小さく頷く。
「俺らが無事かって」
「……」
愛莉が唇を噛む。
「由夏ちゃん……」
湊も目を伏せた。
「……由夏さんらしいですね」
「……せやな」
蓮は静かに答えた。
「ほんま、あいつらしいわ」
その瞬間。
__ピッ。
遠くから。
小さな電子音が聞こえた。
その直後。
看護師が3人の前を急いで通り過ぎた。
そして。
医師の姿も消えていく。
蓮は。
拳を握った。
「……由夏?」
扉の向こうで。
何が起きているのか。
分からない。
ただ。
祈ることしかできなかった。
「……大丈夫、だよね」
愛莉の声が震える。
湊は答えられない。
蓮は。
閉じられた集中治療室の扉を見つめていた。
「……大丈夫や」
自分に言い聞かせるように。
「絶対、大丈夫やから」
由夏は。
再び深い眠りへ落ちていた。
けれど。
その身体では。
まだ。
激しい戦いが続いていた。
