処置室の扉が開いた。
医師が出てくる。
「ご関係者の方は?」
3人が立ち上がる。
「はい」
「ご家族への連絡はどうしましょうか?」
その言葉に。
蓮は一瞬だけ黙った。
「……東京にいるとは思いますが」
「連絡先はお分かりになりますか?」
「……すみません。俺は知りません」
愛莉と湊も黙っていた。
2人も。
由夏の家族について、詳しいことは知らない。
ただ。
由夏が家族の話をほとんどしないことだけは知っていた。
「大阪に、ご親族の方はいらっしゃいますか?」
「……それも分かりません」
蓮が答える。
医師は頷いた。
「分かりました。こちらでも確認してみます」
「お願いします」
蓮は深く頭を下げた。
そして。
「……俺ら、ここにいます」
その言葉に。
愛莉と湊も頷いた。
医師は3人を見た。
「現在、緊急手術が必要な状態です」
「……」
「出血が多く、銃弾による損傷も確認されています」
蓮の喉が動く。
「助かりますか」
医師は一瞬だけ言葉を選んだ。
「現時点では、何とも申し上げられません」
「……」
「手術を行います。かなり厳しい状態です」
愛莉が唇を震わせる。
「先生……」
「できる限りの処置をします」
それだけ言って。
医師は再び処置室へ戻っていった。
