その頃。
店では。
愛莉と湊が残ったスタッフとともに、客を安全な場所へ誘導していた。
店内には警察官が入り、現場の状況確認が始まっている。
割れたグラス。
倒れたシャンパンタワー。
床に残った血痕。
そして。
天井に残った銃弾の痕。
さっきまで華やかだった店内は。
見る影もなかった。
「湊」
愛莉が静かに声を掛ける。
「何?」
「......うちらも病院行こ」
その目にはまだ、涙が浮かんでいた。
「うん」
湊は頷いた。
「でも、その前に警察の人から話聞かれるよね」
「そうやな……」
その言葉の通り。
すぐに警察官が2人のもとへ来た。
「おふたりとも、先ほど現場にいらっしゃいましたよね」
「はい」
「差し支えなければ、分かる範囲で状況を教えてください」
愛莉は唇を噛んだ。
「……分かりました。分かることは全部話します」
湊も頷いた。
「俺も話します」
