加納欄の空白シリーズ35シーズン4

宮原俊介が勤めていたのは、市内にある中堅企業だった。

あたしたちは受付で警察手帳を提示した。

「経理課の方にお話を伺いたいんですが」

大山先輩が告げると、受付の女性は表情を曇らせた。

「かしこまりました……」

案内された会議室には、五十代くらいの男性が待っていた。

「経理課長の小野寺です」

小野寺さんは深々と頭を下げた。

「宮原が亡くなったと聞いて、社員一同驚いております」

「宮原さんは、どんな方でしたか?」

高遠先輩が尋ねた。

「真面目で几帳面な男でした。仕事も正確でしたよ」

「職場で揉め事などは?」

「いえ、特には……」

小野寺さんは少し考え込んだ。

「ただ、先週、女性社員と言い争っていたようです」

大山先輩が顔を上げた。

「女性社員? お名前は?」

「真中あきこです。同じ経理課の社員ですが……」

あたしは、その名前を手帳に書き留めた。

「どんなことで言い争ってたんですかぁ?」